『スキル』ということ
自分で言うのもなんですが、私のスキルは多種多様だと思います。 エンジニアとしては、システムの企画、方式設計、サービス設計、インフラ・基盤設計からUI設計、プログラミング、テスト、HTML・ CSSコーディングを一人で完結できます。 事務屋さんとしては、簿記・経理を始め、法務、人事、調達、マーケティングもこなします。 まぁ社長やってりゃ事務系スキルはあって当然なんですけどね。ですが、経営(社長さんでなくともそれなりの責務がある人)の立場にある人でも帳簿読めない、B/S・P/L・C/Fなにそれ、美味しいの?という人も結構いたりします。ましてや、『帳簿は現金主義で楽チン』なんて未だに信じてる人もいたりします。 とはいうものの、大手にSEとして勤めていた頃はそんなこんなも、な〜んにも知りませんでした。技術者でしかないことに一応の危機感はありましたが、会社では社内政治が優先され、社員は大手企業社員であるだけのプライドで満ち満ちた人ばかりでした。もちろん私もその一人です。 ですが、ある案件の営業でそんなプライドは吹っ飛んでしまいます。 私の提案は顧客のコンセプトからは外れ、聞いたこともない会社に2社競合で完敗したのです。 その時に、初めていかに自分が技術のことだけしか知らないか、マーケティング、いやビジネス、商売の基本を知らないかを思い知らされました。 折しも、世間ではバブルがはじけ、右肩上がりの経済成長神話は崩壊し始めており、事務処理・コスト削減しか知らなかった大型SIerのスキームが通用しなくなり始めていたのでした。 企業は、新しい「売れる仕組み」を作ることを模索し、ITベンチャーが見事にそのニーズに応え勢いを伸ばし始めていた頃でした。 それまで、「与信」という壁で、一定の資本と知名度がなければ特に関西では取引さえままならない状況だったのが、「いいものであれば売れる」という本来当たり前の理屈が実現されつつありました。 「やばい.....」 本当にそう思いました。 もちろん、あのまま社内で出世競争に励み、安定した高給のもと、休日や休暇を満喫するということも可能でした。 でも、私には無理でした。 そして、飛び出してたまたま求人情報サイトで見つけたベンチャー企業に転職。そしたらそこは、後から知ったことですが、例の2社競合で私を完膚